調理師の辻です。
利用者さんが退所されるときに、ご家族が一番心配されるのが食事のことです。
茶山のさとでは、利用者さんの嚥下能力に合わせ、工夫した食事を提供していますが、在宅ではなかなか難しいと思います。
そこで、調理師が利用者さんのご家族向けに家庭でも作れる簡単嚥下調整食の作り方をご指導させていただいています。
今回、退所される利用者さんは茶山のさとでは”やわらか食(歯茎でつぶせる程度のかたさ)”を提供しています。
施設では、肉軟化用酵素を使用したり、圧力鍋を使用したりして調理しています。
ご家庭では、
特別な道具や材料は使わずに、そして手間をかけず・・・
今回は3品紹介させていただきます。
『えび団子の生姜あんかけ』
えびと魚のしんじょうを同量づつフードプロセッサーにかけ(すり鉢で合わせてもOK)、つみれにして茹で、器に盛り、生姜あんをかけています。
このえび団子は、一度にたくさん作り冷凍保存しておくと便利です。バラ凍結させて食べたいときに食べたいだけ取り出せます。味噌汁の具材や煮物、炒め物などに使えます。パン粉や片栗粉をつけて揚げても美味しく召し上がれます。
『かぼちゃの天ぷら風煮物』
皮を剥いてカットしたかぼちゃを電子レンジでラップをしてやわらかく火を通し、鍋に市販の麺つゆと天かすと一緒に入れ、軽く煮て出来あがり。
天かすを入れることで、カロリーUPでき、通常の煮物よりもコクが増し美味しく仕上がります。
かぼちゃ以外にも、ナス、玉ねぎ、にんじん、えび、貝柱などを使ってもいいですよ。先ほどのえび団子を使うとやわらかえび天になります。
また、玉子でとじて、ご飯やお粥にのせて丼にするのもいいですね。
『揚げ出し豆腐風』
先ほどの『かぼちゃの天ぷら風煮物』の豆腐版です。豆腐を使うと下処理なしで使えるのでより簡単です。
在宅でも美味しく簡単に調理し、食べる楽しみをいつまでも持ち続けていただきたいと思います。