茶山のさとの晩御飯

介護医療院茶山のさとの栄養課での日常を紹介しています。

今日もぶらぶらと…。

 療養棟の食事風景を拝見してます。
私や職場の仲間が作ったお食事を利用者さんがどのように召し上がっているのか、気になってしょうがないのです。

 味付けや、見た目に軟らかさはすべての利用者さんのお口に合わせることはできませんが、できるだけ多くの方に喜んで食べていただけるように工夫しています。

 利用者さんの「おいしかった〜。」の一言で、そんな工夫や苦労が報われます。
でも、時々ですがお食事がお口に合わない利用者さんがおられます。

 ご自身の好き嫌いって言ってしまえばそれで終わりですが、ご自宅を離れて見知らぬ茶山のさとの施設にやってこられてとても心細くて不安だと思います。

 そんな気持ちが、食事への不満につながるのでしょう。

 私は調理師なので、利用者さんに指導はしません。
ただ、食べておられないと心配になって、一口でも食べていただくと「ありがとうございます。」と声をかけさせていただきます。

 最近も、気になる利用者さんが一人おられて…あまりお食事をとられません。
家族さんやスタッフから好みを聞いて、いろいろ試してみました。

 でも、結果はあんまり食べていただけませんでした。
食事風景にお邪魔して、残食をチェックして内心がっかりしながらも「こんにちは。」と笑顔でご挨拶して、少しでも食べておられたら「ありがとうございます。」と、声をかけ続けました。
 その利用者さんは、ただ「こんにちは。」とあいさつを返してくださいました。

 そんなある日、いつものように「こんにちは。」と声をおかけすると「ごちそう様、ありがとう。」と笑顔でおっしゃっていただきました。

 一瞬、わが耳を疑って、そして驚いて、それから嬉しさが込み上げてきて、平静を装っていましたが本当はスキップしそうでした。

 一緒にいた栄養士と小声で喜びを共有してその場を離れました。
利用者さんの心を開いてくださった笑顔は本当に素敵です。

 

                調理師   小畠