茶山のさとの晩御飯

介護医療院茶山のさとの栄養課での日常を紹介しています。

お別れ  その2.

 その人は食堂にいつも最後にやってこられます。
食札に書かれた献立と実際の料理を見比べて一つ一つ確認されます。

 自分で納得できない料理には決して手を出してくれないし、好き嫌いも多い方でした。

 今日も、料理を一つづつ説明して食べていただきました。
一口食べると「おいしいわ。」とおっしゃって食べ続けてくださいます。

 でも、こんなやり取りも今日で終わりです。
明日になれば退所されるのです。

 なかなか意思疎通が出来なくて、筆談や簡単な絵を使って食事の事を伝えました。
私の顔を見るとたとえ一口でも食べていただけるようになりました。

 次の施設でもしっかり食事を取られるかが心配です。

 今日の筆談の最後に私の名前を書かれて続いて「大好き」と書いてくださいました。
「お世話になりました。」とぽつりとおっしゃって、なんだか胸が熱くなってしっかりとお返事できなかったみたいです。

 利用者さんに寄り添った食事のサービスって、結構つらいこともありますね。